寄稿記事 ARTICLE

あかりみらい通信

2022年11月07日

津波防災の日

115日の津波防災の日は江戸末期1854年の安政南海地震に由来し、東日本大震災の年20116月に制定されました。2015年には国連総会で「世界津波の日」と定めているそうです。

昨年12月に千島海溝・日本海溝大地震による津波で19万人が死ぬという衝撃的な発表があってから1年、今年の春には各自治体ごとの死亡者数も発表されています。

昨日は全国各地で津波からの避難訓練が行われましたが、皆様の自治体ではどのような取り組みが行われたでしょうか。

今年6月に札幌で北大の岡田教授ほか防災に関わる皆様をお招きして津波のシミュレーションを勉強しましたが、北大の実験でも結論は大半の方の避難は間に合わないということでした。

この死亡者数をどこまで少なくできるか。避難道路を拡幅したり、避難タワーを建築したり、そのために国の補助金を要請したりと今現在どこまでの対策ができているのでしょうか。

添付の地元誌に書いておりますが、避難タワーにどれだけお金をかけても100人、200人が逃げ切れるかどうかというキャパシティーのものです。道路を拡幅しても冬場の除雪もされない坂道では渋滞して津波にのまれるでしょう。避難訓練でわかるのは高齢者や身障者には走って逃げることなどできないことが明確になることです。

 

真夜中に大地震が起きてブラックアウトの中で最短の時間で高台に逃げること。

ここの中の1分間に救命胴衣をしっかり着るという新たな訓練を入れてください。

東日本大震災のあの絶望的な動画を見ても、流されながらも命を救われた人たちもいました。彼らがもし救命胴衣をつけていたならばさらに多くの方が救われたはずです。

悲しい想定ですが、知床の観光船遭難事故でお亡くなりになった方々のご遺族の悲しみを見るに、救命胴衣がしっかり着装されていればご遺体が発見される可能性も高かったはずです。

 

今年の夏、石狩の海水浴場でライフジャケットを着て実験をしてみました。釣具屋で買った市販品で体重90キロ近い私でもしっかり浮かんで沖合までへ持っていかれるところでした。ただし、泳げない人や高齢者にはくるくる身体が回り、波に翻弄されたままで溺れることもあるかもしれません。

ライフジャケットは腕を通しただけでは力尽きて意識を失うか死亡した時には波に揉まれて脱げて沈んでしまいます。

実は多くの製品には背中の部分に股の間をくぐらせ前面で止めるベルトが付いているのですが、通常は気が付きません。慌てて着装する時やご婦人にはスカートの股をくぐらせて紐を止めることにも抵抗があるかもしれません。訓練してください。

115日は休日のため訓練ができなかったかもしれません。防災担当の皆様は平日の市民プールで服を着たままでの救命胴衣実験を行うことをお勧めします。

添付の記事でお披露目していた海水発電の通信システムのデモ機が完成しています。どちらかの自治体で協力していただけるならばプールでの公開実験を行います。

どちらの自治体でも12月議会で避難タワーの予算化など検討中だとは思いますが、まずはハザードマップで水没する地域の学校や保育園、病院、介護施設への救命胴衣の配布を予算化してください。政府へも全国50万人の想定死亡者への救命胴衣の配布を提言していますが、まずは自分の町の予算の許す範囲で命を守ってください。

世界中の飛行機に救命胴衣が積んであるのは毎日飛行機に乗って8600年に1回海に墜落したときのために備えているものです。100年か200年に1回必ず亡くなる多くの命のために、議会で議論し予算を獲得してください。

 

クォリティ5月号 https://akarimirai.a07.401.works/_file/ja/article/814/pdf/2/