BID RIGGING EXPOSED 談合摘発

蛍光管の製造禁止を1年後に控え、全国の自治体で照明のLED化工事の入札が次々と公示されています。この中には明らかに談合と思われる落札結果が出ているものや、自治体担当者自体が不公正な入札と知りながら、特定の応札者に有利な要項や仕様書を作っている例も多くあります。市民の貴重な税金を有効に使うために、広く競争の機会を設定するのが入札であり、特定のメーカーや業界に便宜を図る入札不正は官製談合として罰せられることになります。公務員としてのコンプライアンスの基礎の基礎となりますので、おかしな事件に巻き込まれないよう以下の事例を参考としてください。


<参加資格縛り>
■A県H市
・同市は、60数校の小中学校のLED化について、プロポーズ競争入札を公示したが、地元電気工事業組合が担当者へ圧力をかけ、組合としての入札参加を決定。当初他のリース会社との応札を予定していた電気工事会社に辞退を強制。組合員以外の業者を探し応札せざる得ない状況となり、著しく公平性を欠く入札となった。同市の入札資格名簿には建設系業界組合の名前が並んでおり、組合組織として入札に参加するのが常態となっている。市内のほとんどの業者が談合しているのであるから、他の地域からの参入が全く不可能であり、これを市自体が認めている。以前にも同市は公正取引委員会と警察の摘発を受けて副市長が逮捕されているが、その後も談合を当たり前とする体質は変わっていない。リースによるLED化入札において、本来リース会社の経営状況を審査すべきであるところ、電気工事会社の経営状況やISO取得を応札資格として、市内の特定の電気工事会社と組まないと入札参加できない縛りとしている。同市では、何とか市内の組合に加盟していない。電気工事会社との提携を探したリース会社に対して、一旦入札資格審査により参加資格を認めておきながら、30分間のプロポーザル終了後に協力工事業者4社のうち1社が建設業資格を持っていなかったとの理由で無効通知がだされた。
・本件は、工事業組合と提携した地元金融機関系リース会社がコンプライアンス面での判断により辞退することで一旦流れることになった。
・入札委員会と市長に対して、弁護士による質問状を出しているにもかかわらず、その回答を数週間にわたって伸ばし、事実を拒否する回答の翌日に、再入札の公示がされた。ここでは施工業者にISO9001・ISO14001認証を取得要件として義務化し、入札参加登録制限を掲げ、他の入札参加ができない形にして再公募を行い、地元電気工事組合が予定上限価格で落札した。     
・公正取引委員会も警察も地元新聞社も注目している事案だが、今年度になって、さらにLEDメーカーの制限を露骨に規定した仕様書で残りの施設のLED化が公示されている。


■O県U市
・翌月に市長選挙を控えた年度末ギリギリに学校のLED化のプロポーザル入札が公示され、地元の電気工事業組合以外は参加できない仕様で、参加を目指すリース会社からの協力依頼には組合理事会の決定事項だからとの理由で参加を拒否される。同市の入札担当自身から独占禁止法違反ではないかとの相談があり、公正取引委員会に問い合わせたところ極めてグレーとの判断。市と地元電気工事組合のつながりが固い中、組合以外の地元工事会社を探して参加申し込み。課内でのコンプライアンス面での疑義からプロポーザルが中止され、企画提案書の書面判定で落札者を決定。落札後、落選した組合から市長へ抗議が入った。本件は議会でも議員から不公正の疑いがあるとの質問が出された。

■Y県S市
・環境セクションでLED化の勉強を行い、100件近い施設のリースによる一括LED化が決定。入札要項の検討段階になり、建築セクションが参加することで地元電気業組合に入札情報が漏洩。入札参考価格が地元電気工事業界に流れる中で電気工事事業組合は関西の建築系リース会社と組むことを決定。対抗するリース会社は、入札参加資格が厳しく設定される中で、数社しかいない特定建設業の工事会社から組合決定があることを理由に拒否され、参加表明するも参加却下された。
・同市は以前にも動物園建築での官製談合で逮捕者が出ているが、今回も入札情報が建築業者との癒着の中で入札情報を事前に漏洩している。


■T県T市市立病院
・大規模な市立病院のLED化入札で、指名競争入札が行われたが、指名された7社中5社は辞退。1社は上限価格を上回る金額を提示。
・入札仕様書で特定のメーカー製品しか採用できない製品の縛りを作ったため、このメーカーから提携を拒否されたリース会社は事態せざるを得なかった模様。
・結果1社入札となり予定上限金額の99.8%の応札率で落札。
・本来複数の指名競争がある中で、公示されている上限金額ギリギリでの札入れはありえないはずであり、事前に他社の辞退を知っていたか、談合していたかとの疑いが持たれている。


■H道M町
・町の数十の公共施設のLEDかの要項の参加資格は、施工会社は資格登録に「LED」と明記されていること、同町のA格付が必要とあり、適合する施工会社は町内に2社しかない。さらに入札公募が5月22日でありながら、参加締め切りが6月1日に設定され、通常の企業では応札金額も算定できない。あからさまな官製談合と想像される。
・町議会議員が問題意識を持ち、警察も内偵中。


■M県A町
・数億円のLED化リース入札において、同町の入札参加資格を公示日までに取得している会社に限定している。
・その登録者名簿も開示を拒否する対応で、工事会社は見つけたが、リース会社が参加申込に間に合わず、入札参加が不能となった。
・地元の工事会社が工事の資格登録をしている事は当然であるが、全国規模のリース会社がすべての都道府県の市町村に資格登録をする事は困難であり、入札情報を事前に知らされていない限り、公示日時点での資格登録がある。リース会社のみが無競争で参加することになる。
・他の多くの自治体ではリース会社の入札資格登録は公示後に申請して契約開始日までにされていれば良いことになっている。広く競争することにより市の財政を削減するのであるから、入札参加意向のある上場リース会社を拒絶するような要項は変更すべきである。


<製品仕様縛り>
■K県H市
・入札仕様書において、LED製品への特定メーカーでしか対応できない不合理な仕様を設定し、このメーカーが、提携するリース会社以外の競合者に製品を提供しないことで入札を妨害し、市の職員もこれに加担している疑い。
・入札前に仕様書に適合する製品を持つメーカーA社に見積依頼をしたところ、当初は、同社が独自に入札参加するので見積できないとの回答、更に依頼すると、通常の3倍強の価格で見積が提出された。やむなく他メーカーで応札参加し、結果、評価委員会の総合的判断により優先交渉権を獲得した。
・製品の不合理な縛りについては、プロポーザルの中で他社の同等以上の製品があることを解説し、評価委員会でも納得してもらっていた。しかし、同市との協議中に、参加表明時に提案したメーカー製品が仕様に準拠しないとの事務局職員の執拗な主張で優先交渉権をはく奪された。
・結果、次点だったのA社のチームが、落札予定額と同じ価格で落札した。
・製造メーカーが特定の販売者に製品販売を拒否したり、不公正な価格を提示する事は、独占禁止法で禁止されている。市の評価委員会を経て決定した落札者を、瑣末な条項を盾に協議成立させないのは、担当者がメーカーと癒着していることを想像させる。

【特定のメーカーに縛る不公正な仕様例】
特定のLEDメーカーとコンサルタント会社が、誤った知識と情報で入札担当へ自社製品に誘導させる仕様を推奨する例が目立っています。自治体は特定のメーカーや製品を指定する事は禁止されています。公共施設を明るく、省エネルギーでリーズナブルな予算でLED化するために、製品の仕様と性能について公平で公正な仕様となるよう、間違った情報に耳をかさないよう勉強してください。


間違った仕様例
・国内メーカーであること←海外製品であっても国内メーカー以上の性能と価格を提示できるメーカーがあります。公共の調達ではWTO違反となるような設定は禁止されています。
・公共品番保有の国内メーカーであること←日本照明工業会の中でも数社しか設定していない独自の型番であり、自治体がその型番で製品を指定しないのであれば意味がありません。器具交換型製品以外には設定型番がないので、実態上使われていない仕組みです。
・JLMA301適合品を使用のこと←日本照明工業会の業界として設定したガイドラインであり、海外製品には適用されません。蛍光管型LEDを不当に排除しようと言う意図が明確なガイドラインであり、経済産業省情報産業課もこのガイドラインを認定しているものではありません。
・ISO9001・ISO14001認証を取得している工場で製造していること。← ISOの取得には多額の費用と手間がかかり、メーカーによっては取得しても継続していないところもあります。海外メーカーでもユーロ規格を取得していたり、より厳密な安全審査を通過しているところもあります。製品の選定はプロポーザル入札の中で総合的な判断で行うべきことであり、要項や仕様書で制限すべきではありません。
・調光機能やライトバーの取り付け方法を特定していること←合理的な理由がなく、特定のメーカーにしか選定できない仕様はメーカーと談合をしていると取られても仕方がありません。求める条件を提示して、プロポーザルの中で広く専門家の意見を聞くのが正しい解決です。
・OEM製品は禁止すること。←特定の参入者を排除するための露骨な入札制限であり、大手メーカーも中国、台湾、韓国等へのOEM生産が常識の中でナンセンスな仕様です。


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