寄稿記事 ARTICLE

あかりみらい通信

2023年08月22日

空母いぶき

あかりみらい通信

北海道稚内自衛隊基地がロシア軍に占拠され、津軽海峡、道東沖での海戦ではかろうじて防衛できたものの択捉、国後、樺太、松輪、ハバロフスクのミサイル基地が発射準備を整えて北海道の自衛隊基地周辺10キロの住民は避難を開始しました。
というのが8月10日号での掲載。最新号では、米軍機による北方領土への威嚇飛行が第三次世界大戦の一触即発の危機を招いて、千歳や旭川ではJRでの大量避難が始まりました。

さて、ベストセラー「沈黙の艦隊」の映画化でも話題となっているかわぐちせいじ氏の軍事シミュレーションコミックとして全国840万読者が固唾を呑んで見守る中で、北海道のわれわれはどう認識して反応すれば良いのでしょうか。

先週、参議院会館でシェルター議員連盟呼びかけ人でもある片山さつき議員とGX、政府カーボンニュートラル計画とLED資材のサプライチェーン問題、2024年問題等についてお話しする機会があり、このロシアミサイル危機シミュレーションについても伝えました。沖縄では台湾有事に備えてシェルター設置の議論が現実に進められていて、有事の島からの避難計画も議論されています。
台湾有事の際には南西諸島での中国侵攻にロシアの北方攻略が連動するだろうと軍事専門家の意見は一致しています。

北海道内でもあまり知られていませんが、ウクライナ戦の初期にロシアの大物政治家が北海道はロシアの領土だと妄言していますが、まんざら根拠のないことではなく、「江戸時代にロシア領だった樺太からアイヌ民族を北海道に強制移住させて、差別迫害を続けてきた。このロシアから拉致された少数民族を救うために北海道に侵攻するのだ」というウクライナ侵攻と同じフェイクロジックです。
「北方領土は日本固有の領土だからあそこはロシアではない」と目を閉じ、耳を塞ぎ続けているうちにも数千人の航空基地とミサイル基地が北海道を標的にしています。

北朝鮮のミサイルではJアラート慣れしてしまっている我々ですが、3.7キロしか離れていないロシアが占拠している北方領土から打ち込まれるロシアのミサイルにどう対処するのでしょうか。
終戦の日を特集した番組が流れて反戦平和が意識される季節ですが、リアルに当事者として国境最前線となっている北海道が何の危機管理も行わないままで良いのでしょうか。いまの日本国憲法ではロシアが北海道中の自衛隊基地全てをミサイルで無力化するのを先行攻撃することはできず、反撃能力で抑止するしかありません。現実のウクライナの民間施設攻撃、殺人、略奪、強姦の狂人の仕業を1年以上見ていながら北海道は安全だなどと能天気なことは言っている場合ではありません。札幌の地下街と地下鉄以外にシェルターひとつもない北海道で、最初の一撃は受けても二発目を打たれる前に北方領土のミサイル基地を消滅させる反撃をしなくては我々と家族の命が亡くなります。

すでに国際エネルギー資源戦争で電気料金は高騰し、食糧安保でも経済戦争として大きなダメージを受けています。先進国の中でもサハリン2の長期契約を維持してロシアからのLNG輸入を続けている日本はこれからのさらなる深刻なエネルギーリスク、カントリーリスクを抱えています。業務用、産業用電力の80%を超える値上がりに北海道経済がどこまで耐えられるのか。9月までの政府補助が切れた時点でさらなる燃料費高騰が起きたときに道民生活も自治体財政も産業界も耐えられるのか。4月からの自由化料金の値上げにすでに青息吐息の中小企業がたくさんあります。熱中症死も出る酷暑にクーラー全開の過去最大の電気使用量に8割増の値上げ後の恐るべき電気料金請求が来ます。
迂闊にも気付かずにいましたが、みなさんの町内会の防犯灯や街路灯も規制料金の公衆街路灯種別でありながら政府査定後で7割以上値上がりしています。防犯灯や街路灯は省エネの余地はありません。ただでも成立し辛くなっている町内会の負担が全国全町内会にかかっています。
≫業務用電力・公衆街路灯全国比較

昨年は国政選挙と総理暗殺、コロナとウクライナのダブルショック下で思考麻痺状態でしたが、もう政権も安定し、マスクを外して冷静な判断ができるのですから国際戦争が起きていて3.7キロ先の隣国が侵略国家である事実を見極めましょう。
週刊ビッグコミック空母いぶきを注視してください。
「所詮あれはマンガだから」ではなく、マンガに描かれるまで誰も想像もしないでいる危機感のなさと政治認識の足りなさを自覚しなくてはならないのではないでしょうか。

≫月刊クォリティ9月号寄稿