寄稿記事 ARTICLE
2023年11月06日
蛍光灯製造禁止
恐れていた事態が始まりました。11月3日スイスジュネーブで水銀水俣条約の第5回締約国会議が閉幕し、直管型蛍光灯の製造と輸出入を2027年度末までに禁止することが合意されました。コンパクト蛍光灯は25年末で製造禁止、27年にはすべての蛍光管が製造禁止です。来年4月にはナトリウム灯が出荷停止になり、あと2年で全てのコンパクト蛍光管を、あと4年で全ての直管蛍光管をLED化しなくてはなりません。
まさに、この発表の直前の11月2日にLEDのサプライチェーン問題を提起しに霞ヶ関、虎ノ門、議員会館を歩いた時点では、環境省も経産省も国交省も農水省も総務省もこの事実は知らなかったようです。来年4月のナトリウム灯の生産終了について、トンネルや港湾、空港など主要インフラの不点灯問題をどうするかという提言を国交省と国会議員に行っていた端からの照明完全生産終了の発表です。
環境省とは全国の施設の総量の把握をしないまま安定器を見込み生産終了してしまった反省を折り込まねばならないと話していた矢先の発表です。地球温暖化対策室はこのことを知っていて発表直前なのでしらばっくれたのかもしれませんが。
経産省も日本照明工業会も政府所有施設の総量を把握していません。政府の環境行動計画目標を12省庁に振った後は各省庁の施設数も削減予想カーボン量も知らずにいます。国交省の場合には道路も河川も港湾も空港も各部局縦割りで省としてのコントロールタワーもありません。都道府県も市町村も自分の町の施設数もLED化率も知らずにいては予算も立てられません。
照明メーカーは需要の総量も知らずに生産計画など作れるはずがありません。
これから起こることは役割として考えるべき人が考えていない人災によるサプライチェーン問題です。民間にしてみると行政災害です。
日本中すべての施設とすべての街路灯を想像してみて下さい。何万施設なのか何十万施設なのか。何百万灯なのか、何千万灯なのか、それとも何億、何十億本なのか。それを2年間、4年間で取り替えることなどどう考えても不可能です。LED照明の生産は全く間に合いません。それに当事者が気がついていないのです。
さらにこれは国際競争です。水俣水銀条約締約147国全てで半導体と部品の取り合いが始まります。世界に半導体はそれだけの量があるのでしょうか。
この決定は地球温暖化恐怖症かカーボンニュートラル症候群のヒステリー現象です。元々2030年に46%、2050年にゼロカーボンなどと夢と欲をごっちゃにした政策ですが、社会経済の現実を考えないお花畑行動は地球温暖化村の特徴です。SDGsを唱えていれば世界平和になるのではなく、現実をリアルに想定して需給ギャップの対策をとらなくてはならないのです。
日本は今ただでも資材不足、値上がり、人手不足であらゆる現場で予算超過、工期先延ばししている中で、来年4月1日からは建設業の2024年問題として土日も時間外作業もできなくなります。全国の電気工事業組合が総出でかかっても間に合いません。
もはや電気料金の高騰対策やカーボンニュートラルの2030年LED化目標などは吹っ飛んでしまい、照明の長期ブラックアウト対策という危機管理の問題になってしまいました。
民間企業は社長の決断で自分の持ちビルや店舗、工場のLED工事をすぐに発注してください。借金してでもリース金利を払っても、今の異常な電気料金水準ならすぐに元は取れます。
全国の市町村は今すぐにLED化されていない全公共施設の見積もり試算を始めてください。もはや自分の身を守ることが優先の早い者勝ちの競争で、資材を確保し、工事人工を確保するしか方法はありません。
今までのようなのんびりした建築営繕や公共事業の方法で残された何十、何百の公共施設と何千、何万の街路灯、防犯灯を替えている時間はありません。来年度予算の成立など待たずに、今すぐに 11月の人事院勧告臨時議会、12月議会で補正予算を組んですぐに着手してください。やりたくないお化けのやらない屁理屈等に耳をかさないでください。
今年4月から倍になっている業務用電気料金を7割削減するLEDならば長期リースで新規予算は要りません。照明電気料金が7割削減される範囲内で10年で分割して払えば良いのです。
建築土木のやり方で無駄な調査費と無駄な設計時間を費やす事はありません。数を数えて単価をかければいいのです。図面さえもらえれば、当社特許の独自プログラムで照明配置図からカウントして、無料で短期間で試算見積もりとリース設計を提供します。
モノがなくなる前に、ヒトがいなくなる前に、安定器の寿命が来る前に、世界中が資源を確保し始めて日本が国際競争に負ける前にいますぐ準備を始めてください。
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