寄稿記事 ARTICLE

あかりみらい通信

2023年11月24日

緊急提言

あかりみらい通信

先週お送りしました水俣水銀条約締約国会議決議の続報です。


11月3日のスイスジュネーブでの水俣水銀条約締約国会議で2025年コンパクト蛍光灯の製造禁止、2027年直菅蛍光管の製造禁止が決議されました。前回メールでは地球温暖化村のヒステリー的暴挙かと思っておりましたが、調べたところ本件の所管課は環境省水銀対策課でした。地球温暖化対策のほうは、国民生活に支障をきたさないペースで実効を上げていくと言う方針で、2050年カーボンニュートラルというのも、その頃には生きている関係者はいないほどのペース配分です。 これに比べると、水銀規制のためにあと2年で何百万のコンパクト蛍光灯をLEDに替えて、残り2年で蛍光管を製造禁止して世界中の蛍光管照明をLEDに変えてしまうなどとは、愚挙以外の何物でもありません。日本中の蛍光灯がそれまでにLED化出来ないと、最後の蛍光管が切れた時点でその建物は不点灯になります。
そもそも一体どれだけの照明器具が日本にあるのか。1780都道府県・市町村の公共施設と街路灯と政府の何十万もの国有施設と港湾、空港などの照明を全てLED化してしまわなければなりません。総延長130万kmの道路にどれだけの街路灯があるか誰も数えたことはありません。民間企業3百万社の560万事業所でもまだLED化が終わってない事務所、工場、商店が一斉にLED化に走ります。 環境省水銀対策課は、事前に経産省と照明工業会に了解を取ったと言っていましたが、日本の照明工業会は何を考えていたのか。あと四年でこの膨大な照明資材の供給ができるはずがありません。


供給が間に合わないと蛍光管が切れた時点で照明資材が調達されるまでの間は停電(不点灯)です。
先日、沖縄の電気工事業組合の専務理事と面談しましたが、電気工事業会は大変な人手不足で現時点でも電気工事の発注に対応しきれていないという話です。これに全国何十万、何百万の照明工事現場が発生しても対応しきれないことは容易に想像できます。
来年4月1日からは働き方改革で建設業にも土日、時間外業務の制限が始まります。さらに、昨年規制強化された大気汚染防止法によりアスベストを含んだ天井材の工事は極めて困難になっています。地方の電気工事業界には、アスベスト工事資格者がいません。


政府の環境行動計画で2030年を目標年度としていた完全LED化を、水銀対策村が後先考えずに3年間前倒ししてしまいました。自治体や公共機関にしてみると、今年度議会で来年度の予算化をできたとしても、2024年から27年までの4年間で膨大な作業を終わらせないとなりません。総量もわからず、見積もりもできないままどのように計画を立てられるのでしょう。


今回「緊急提言」としているのは なんとしても12月議会で問題提起して、実行計画を立てていただきたいということです。
沖縄では食料備蓄、原油備蓄のようにLED資材を事前発注して備蓄しておくことで島の停電を防ぐ必要があるのではないかとの議論まで出ています。


全国すべての依頼には答え切れるはずもありませんが、問題意識を持ちすぐに取り組みを始めようという市町村に対しては具体的な手法と実績をご説明し、無料で試算見積もりを提供します。 今この件でのビデオレターを制作中ですが、オンラインでのレクチャーも行います。
本日11月24日(金)15時からと12月8日(金)10時の2回のzoomレクチャーを受け付けていますので、危機意識をお持ちの方はこのメールに返信してご聴講ください。
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地元誌に掲載している寄稿を添付しますのでご覧ください。
≫月刊クォリティ2023年12月