寄稿記事 ARTICLE
2024年12月11日
12月議会予算審議
(一社)日本の灯りを護る会代表の越智です。
既報でもお知らせしておりますが、昨年11月にスイス・ジュネーブ「水銀に関する水俣条約COP5」で決まった「2027年の蛍光管製造禁止問題」が日本に与える深刻な影響が現実化しつつあります。先週は、この条約に内在する危機について城内実経済安保大臣、伊東良孝地方創生大臣にもレクチャーして認識していただきました。
■あと3年で終わらせなければ
2027年までに政府施設の全て、自治体公共施設、民間施設の全てをLED化できなければ地域のインフラも産業も経済も「灯り」が欠損した不十分で不自由な社会の中で運営せざるを得ないことになります。来春には全国の公共・民間から殺到するであろうLED照明資材の発注にメーカーの供給が間に合わず、数カ月・1年待ちの事態になることが危惧されています。そういう事態になると、学校も病院もトンネルも地下街も地下鉄もLED入荷待ちによる⾧期の不点灯が起きる施設が出始めます。また、まだ政府の正式発表も届いていない民間の工場や商業施設もホテルも事務所も停電(不点灯)で商売ができなくなります。LED化リノベーションが遅れた不動産物件は販売も賃貸もできなくなります。そういう事態を避けるための高額なLED化費用の負担に耐えられない中小企業や店舗が多く出てきます。
≫あかりみらい新聞 2024年12月10日号
今年2月に都道府県宛てに発信された政府通達によると、民間、市民に対する周知は市町村が行うことになっていますが、どこの市町村も実行していません。
≫政府通達
市民はテレビコマーシャルでこれを知り始めています。
≫アイリスオーヤマCM
このCMの最後の一本が市の公園の公衆トイレならばこのトイレは閉鎖せざるを得ません。このままでいると学校や病院もそうなります。
昨年の国際条約で多数派工作に負け込んで締結してしまい、これから世界の資源争奪戦となるであろうLED原料ガリウムの98%は中国が産出しています。国際情勢で中国が輸出規制を行うような事態になると、⾧期にわたり世界の照明が供給されなくなる経済安全保障の問題です。城内実大臣も高市早苗前大臣も伊東良孝大臣も認識してくれました。多くの国会議員も地方議員も問題意識を持ってくれています。
■12月議会で議論を
政府は今すぐに全国官民完全LED化に向けての財政出動と、サプライチェーン対策と電気工事事業の人手不足対策、その他緊急対策を実行していかなくてはなりません。首⾧のみなさまは知事会・市⾧村⾧会からの政府要請を検討してください。
逆に、この問題が2027年までに解決できれば、日本の脱炭素化は急速に進み、地域の地球温暖化目標も達成し、エネルギー基本計画の改定で議論されている電源構成も大きく変えることができます。3年以内に完全LED化を終わらせれば良いのです。
首⾧査定も終わってしまった頃かと思いますが、12月の予算要求には来年度のLED化の費用は盛り込まれていたでしょうか? いまの議会で来年の予算を議論しないと間に合いません。
県や政令市ならば数千件、数十億円にもなろう桁の予算です。25年度の予算をつけ損ねたら貴重な1年を棒に振ります。調査だけで1年間を使う時間の余裕はありません。25年で工事を終了させるペースで挑まなくては、26年と27年で千件づつも工事しなくてはならなくなります。
その頃には政府12省庁からの発注と全国1780自治体と民間からの発注でLED入荷の順番待ち数百番目になります。もしくは千数百番目かもしれません。まだ3年あるのではなく、今年が勝負なのです。
24年の補正予算で年度内の調査、予算化を進めてください。年度内に資材発注できるような非常事態としての対応をしてください。
■2027年問題の解決策はある
解決策のヒントをアドバイスするあかりみらいの年内の2027年問題オンラインセミナーは12月13日と23日です。脱炭素、管財、財政、教育委員会、建築、病院、上下水道等の皆様はどうぞ一緒に受講してください。
≫オンラインセミナー
お問い合わせ等ありましたら、ご遠慮なく連絡ください。教本となる自治体LED化パーフェクトマニュアルを贈呈しています。セミナー受講前にお申し込みください。
≫パーフェクトマニュアル
[ご参考]
≫ジチタイワークス Vol.34
≫日経トレンディ 2025年1月号
≫NHK おはよう北海道