寄稿記事 ARTICLE

あかりみらい通信

2025年04月07日

独占禁止法違反

あかりみらい通信

あかりみらい越智です。
今回は新年度にLED化の入札を予定している自治体の皆様に、入札に関わる重要なコンプライアンス上の注意喚起をさせてもらいます。

照明の2027年問題を真剣に取り上げ、試算し、予算化し、議会を通し、入札公示までこぎつけた自治体の中で、最後の最後で不正な外部圧力によって独占禁止法に抵触すると判断される不公正な入札制限や採点不正が行われている例が見受けられています。場合によっては公正取引委員会の調査が入り、官製談合と判断される場合もあり、皆様のキャリア自体が脅かされる事態となりますので、くれぐれもご注意ください。

以下、最近実際にあったいくつかの事例を自治体名は伏せたまま情報提供します。

【ケース1】電気工事組合による入札妨害
照明の2027年問題は、本来今までの建築営繕と公共工事のやり方では到底予算も足りず、工事スケジュールも間に合わない緊急事態であることから、全国で民間手法のリース活用が採用されています。ところが、これに反発する地元電気工事業組合が従来通りの高額な公共工事予算を付けるよう陳情したり、首長や自治体担当者や議員に圧力をかけるような例が全国でいくつか出てきています。

ある市では学校のLED化入札を2口に分け、2つのグループで仕事を分け合うような公示を行いました。
もうこれ自体で談合の素地を作っているようなものですが、これに応じて、ある大手リース会社の下で市内の電気工事組合が2つに分かれて応札するという談合そのものの図式が発覚しました。さらにこの要項・仕様書には、「市内の電気工事会社を必ずコンソーシアムに含めること」との入札条件があり、市内電気工事会社に対しては、組合から他のリース会社には協力しないように通知が出ていました。これでは競争相手は参加できません。
市の職員からも疑問が出ていたこのやり方には、公正取引委員会から明白な独占禁止法3条違反であるとの解明がだされました。

景気対策として、長年とても美味しい公共事業を毎年享受してきた電気工事会社にとっては既得権として主張したいところなのでしょうが、官庁工事を数社で分け合い順番に落札していく事自体が談合で、これを見て見ぬふりをする役所自体も罪を問われるところです。

今回の「照明の2027年問題」の特徴は、数十年分の工事を短期間で終わらせるためには、長く引き延ばす程都合の良い地元業者への税金のばらまきとも言える公共工事方式では、予算的にもスケジュール的に間に合わないという根本の理解をしなくてはならないことです。今までは景気対策として年に数件の公共工事発注であったものが、一気に数十件、数百件といった単位で、数十年分の仕事が2年、3年に集中することになります。本来、電気工事業界にとっても大量の発注が出るのですから、それだけで大変な経済効果をもたらす景気対策です。これだけの地域のための大仕事を、自分たちの利権のためだけに民間相場の数倍になる公共単価の予算を要求し、違法な入札を行うよう圧力をかける事は、自分たちの社会的役割に誇りを持たない地域と市民に対する犯罪的行為といえます。いままでの公共工事手法では試算も見積もりも間に合いません。リースならば20年分の工事費も20年間の電気代削減分で間に合い、財政メリットも出ます。地域の灯りを護る役割を自覚して、率先して検討を行っている役所や議員の方々は地域の総力を挙げるもっとも合理的な方法を勉強してください。

要項や仕様書では、不当な入札制限等は行わず、本来の目的である、より安く早く安心して任せられるリース会社とコンソーシアムを選定する機会を広く設けて、総合的な公正な評価の中で最も適したコンソーシアムを決定すれば良いのです。

ある県の知事は、工事業界の圧力や工作で議会審議が進まず、せっかく準備した予算措置ができなかったと嘆いていました。あと2年半しか期間がなく、本来ならば地域の明かりを守らなくてはならない立場の電気工事業界の中にこのような利権を優先する人たちがいることを認識しておいてください。いくつかの市では近く市長選挙が行われることになっており、首長による票集めのための公共工事のばら撒き手段と疑われる偏向した仕様書が作られています。職員のみなさんは、このような愚かなことに巻き込まれないようくれぐれもご注意ください。

【ケース2】密室での採点
ある町では地元の電気会社の協力を得て、上限3億円を1億円以上下回る応札額を提示し、採点表にあるあらゆる評価ポイントで減点余地のない実績あるコンソーシアムが次点で、町外の電気屋を連れてきたある大手リース会社が落札しました。この点数差が僅か2点で、いかにも密室で作られた結果だと議会議員も疑問を呈しています。表点の内訳は公表出来ないと拒否されていますが、契約決定の折には価格も公表されるので、価格点と落札額で評価の公平性が明らかになります。この自治体では、LED工法の得失が理解されず最終的には審査員の多数決で決めたという情報も入っています。一部の声の大きな上席者や天の声に左右されるような評価委員会になってしまうならば、入札者を覆面で審査して、外部委員を複数名入れることも検討すべきです。そもそも仕様書の評価配点を仕様書として公開しながら評価結果を公表できないというのもおかしな話です。

ある町では町内の電気工事会社全てが参加するコンソーシアムに対して、県外のリースの定款も持たないLEDメーカーが落札しました。過度な入札制限も問題ですが、評価の判断に疑問を持たれるような結果に対しては、票点の公開をするべきです。
評価のウェイト付けも具体的に客観的に比較できるように多くの角度から評価する項目を増やし、200点満点で総合評価をする工夫をしている自治体も出てきました。

【ケース3】情報漏洩
当社は大量の公共施設のLED化を決断するために、AIを活用した試算値など必要な参考情報を自治体に提供しています。この中には議会にかける予算を作るための参考概算数値もあります。ある市では本来関係者だけが持つべき内部資料を出入りの電気工事会社に渡して、準備を促す行為をしていた職員がいました。警察も関心を示していましたが、立件はできなかったようです。
万が一、その職員と電気工事会社が飲食や接待などが判明し、金銭授与などがあると逮捕されます。
先の首長選挙の場合も、電気工事業界が後援会というのは当然ですので、おかしな疑いがかからないように最善の注意を持って当たらなくてはなりません。

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