寄稿記事 ARTICLE
2025年06月23日
照明と空調で電気代が半分に
エネルギーコンサルタントのあかりみらい越智です。毎日のように猛暑のニュースが流れています。クーラーがフル稼働で電気料金も記録的な金額となるのは間違いありません。本号では照明と空調で電気代が半分になる最新情報をお届けします。
🔲まずは完全LED化を
新年度の6月議会も閉会しました。「照明の2027年問題」を議会で取り上げ議論することは出来たでしょうか。
今年12月にコンパクト蛍光電球が廃止、来年12月にはコンパクト蛍光管が廃止、再来年の9月には、全国でまだ10億本は残っていると言われる蛍光管が製造終了します。この10億本の蛍光管に対応できるLED生産量は昨年度実績で600万本です。100年掛けても対応出来ない需給ギャップがあります。値上がりと品不足が目の前です。
私どものアドバイスやセミナーを経て4月から6月で多くの市町村が次々とLED化事業の入札公示を行い、これから入札をスタートする自治体も多くあります。
声を大きくして警告します。従来のペースで来年度の予算化なんとかしようという考えでは間に合いません。自然災害、パンデミック級の危機意識でいますぐに年度途中からでも行動してください。施設を数え、照明数を数え、試算し、予算化し、議会で議論し、プロポーザルで入札し、リース契約し、資材を確保し、年内に着工する。
今なら間に合う、来年では間に合わない非常事態です。津波が来ているのに立ち止まっていてはいけません。
とくに政令市、都道府県の知事、市長、議員のみなさんは想像してください。幾つあるかも把握していない数千、数万施設の完全LED化をあと3年で達成できると思いますか?そのために必要なLED管は数百万本、数千万本です。昨年度の国内生産量で600万本なのですから、もう海外から緊急調達するしかないのです。民間企業でも1000万本の輸入調達が出来て100億、数百億円の資金調達ができるプレーヤーはほとんどいません。都道府県規模ではLEDを入手出来ず、手伝ってくれる大企業も無いのです。事業規模すら把握してないのですから民活の委託予算も作れません。
私どもは、コンサタントであり100万本の資材調達も100億円の資金調達もできません。それでも職員のみなさんに施設図面をスマホで撮影してメールしてもらえれば、試算と見積もりと必要な調達資材量とスケジュールのアドバイスは出来ます。みなさんが写真を撮るだけでも数ヶ月かかります。年内スタートのために調査委託のご相談は早く連絡ください。
🔲空調ガス交換で電気代が半額に
15年前にLEDがここまで普及するとは思っていなかったように、今空調に革命的な波が押し寄せています。電気代が半分で済む冷媒ガスが世界で普及し始めています。クーラーや冷蔵庫などで使われている熱交換のための冷媒ガスは、地球温暖化問題のためにフロンガスが禁止され、いまは代替フロンガスが使われています。ここに第3世代の自然冷媒ガスが登場しました。炭化水素系のノンフロングリーンガスで、CO2を出さずに冷媒能力が3割から6割向上した革命的製品です。ガスを入れ替えるだけで同じ冷房温度を半分の消費電力で実現するのです。つまり今までと同じ使い方をしても電気代は半分で済むということです。世界では70カ国以上で普及し始めており日本にも3年前から上陸しました。電気料金が最も高く1年中空調が回っている沖縄から火がつき、全国チェーンのホテルやスーパーマーケット、今話題の米の保冷倉庫でも6割以上の電気代を下げている実績があります。自治体でも道の駅や図書館などでも導入が始まっています。
信じられないという人はこの動画をご覧ください。≫JA厚生病院実験動画
何年も続く猛暑でクーラーの効きが悪くなってきたけれど設備交換する予算は無い。アスベストの規制強化で天井工事ができなくなっているのが現実です。屋外機の冷媒ガス交換だけで、冷房パフォーマンスが回復し、空調設備の寿命も伸びます。
こんないいことばかりなのに、なぜ普及が遅れているのか。なぜこのような情報を政府もメーカーも宣伝しないのか。日本の空調メーカーは代替フロンガスの契約在庫を数千億円規模で抱えているためどんなに性能が良くて、世の中に役に立つ自然冷媒ガスが登場しても、今のガスを在庫処分するまでは手をつけられないからなのです。日本中のクーラー、空調の電気代が半分になって、国民の生活が楽になるのがわかっていても業界利権が優先されているのが現実です。数千億円のメーカー在庫の都合で、数兆円の電気料金対策、物価対策、猛暑対策、脱炭素対策が放置されているのです。国民に対する罪です。
自治体のみなさまは、完全LED化と同じく、完全自然冷媒化を予算化してください。こちらも大幅な電気料金の削減の範囲でガス交換ができますから新規予算の持ち出しはありません。
クーラーの効きが悪くなったことへのガス交換という修繕費ですから施設管理者の判断で今すぐ着手できます。この自然冷媒ガスは世界ではオーストラリアとアメリカの2社が製造しており、自然冷媒ガスを指定すれば入札も必要ありません。
照明を完全LED化し、空調のガスを自然冷媒にすれば自治体の電気使用量は半分以上節減され、電気料金も半分になります。脱炭素先行地域では、CO2が半分になるどころかフロンの破壊による数万トン分のクレジットが発生します。フロンではなくなるので、法点検の必要もなくなり、数百万円から数千万円の目視点検料も払う必要がなくなります。
≫自然空調パーフェクトマニュアル
今月のあかりみらいウェブセミナーでは2年後に迫った照明の2027年問題とこの猛暑を乗り切る空調の自然冷媒ガス交換についてお伝えします。6月27日 15時から。お申し込みください。
≫オンラインセミナー
≫空調で電気料金半分に
≫ジチタイワークス
≫月刊クォリティ
≫月刊クォリティ冷媒交換