寄稿記事 ARTICLE

あかりみらい通信

2026年03月16日

オイルショック下の地方財政

あかりみらい通信

東日本大震災とリーマンショックとコロナパンデミックが1度に押し寄せたような経済危機が訪れようとしています。

🔲財政余力の確保

昨日、国際通貨基金IMF専務理事の記者会見をニュースで見ました。イラン爆撃によるホルムズ海峡閉鎖で国際経済が大混乱し、この海峡からの原油輸入に9割を依存する日本は「油断」により世界でも最も影響を受ける国です。IMFの女性専務理事の談では「不確実性が日常になる。先の見通せない不確実な時代には財政余力を確保して国民生活を守らなくてはならない」と至極当たり前のことをメッセージしていました。

さて、ホルムズ海峡は封鎖され、もはやオイルショックが訪れようとしています。1973年の第一次オイルショックを経験した現役の政治家も役人も首長も経済人もいない中で、再び悪夢のような経済危機に見舞われています。世界中で98パーセントの石油を輸入しているのは日本だけです。今のところワイドショーはガソリンの値上がりと納豆、クリーニング、トイレットペーパー、パッケージ屋、スーパー、風呂屋辺りの取材ですが、あと数ヶ月のうちに電気料金の値上げが発表されると一気に全ての値段が上がりパニックが起き始めます。
50年前のオイルショックでは「狂乱物価」という言葉が生まれました。「狂乱」というからには2割や3割の値上がりではないでしょう。

国会では、原油備蓄の放出とか、予備費の活用、電気料金補助金等が聞こえてきますが、今の物価高対策の次元ではない「狂乱物価」対策が必要になります。

🔲地方自治体にできること

IMF理事は「不確実な時代には財政余力を確保せよ」とメッセージしていますが、それでは今3月議会真っ最中の地方財政はどうすれば良いのでしょうか?

昨年9月ごろから予算策定に入り、12月の議会を経て、最後の第4クオーターで誰も予想していなかったこれほどの大変動が突然起きています。補正予算など間に合いません。
市町村の光熱費は5割増になり、水道代も再び値上げしなくてはならない、教育費予算も医療費予算もどれほど補正しなくてはならないのか。職員給与もオイルショックの狂乱物価に耐えられる額を支給しなくてはならない。当然、市民町民村民の生活を最優先して考えてください。景気対策のための公共事業のばら撒きなど予算化する余裕はなくなります。

すべての物価が高騰し、すべての予算を見直さなければならない中で、どうやって「財政余力」を確保できると言うのでしょう。

🔲省エネで生き残る

1973年のオイルショックで生まれた言葉に「省エネ」があります。まさにオイルショックのエネルギー危機を乗り越えた最大の方策は「節電」でした。日本では徹底的な節電で全国民が我慢の生活を続けて凌いだのが事実です。

そこで私の本業であるエネルギーコンサルタントとして、すべての自治体の皆様にお伝えします。

自治体公共施設のすべての照明をLED化し、すべてのクーラーの冷媒ガスをノンフロンガスに変えることで、自治体の年間電気料金は半減することができます。照明は2027年で蛍光管がなくなるので来年度中に計画的にLED化する事は3月予算でも通っているでしょうが、空調の電気料金を4割減らすことができる冷媒ガス交換の予算をつけている自治体は皆無です。

50年前のオイルショックを省エネで凌いだ時と比べ、技術革新は格段に進んでいます。当時はLEDも自然冷媒も発明されていませんでした。AIや半導体のせいで原発再稼働しなくてはならないほどの電力爆増を予想していながら、政府は根本的な省エネである照明と空調の対策を取ろうとしていません。

さすがにLEDに反対する人は1人もいませんが、空調のフロンガスを自然冷媒のノンフロンガスに交換するという世界での流れに対して、日本では既存の利権団体が妨害しています。

日本空調工業会は、現在の代替フロンガスを自然冷媒ガスに交換すると、①クーラーのメーカー保証をしない。②定期点検をしない。③自然冷媒ガスは燃える。
という妨害マニュアルで自治体の現実的な財政改革の最大の手段にも反対しています。①の保証は1年間で切れています。②の定期点検はフロンでなくなれば法的点検義務はなくなります。③に至ってはデマそのもので、フロンも炭化水素系冷媒もどちらも同じような発火温度で燃えます。フロンが燃えた場合には猛毒の青酸ガスに変わる事実には口をつぐんでいます。

高市総理、片山大臣の政策秘書には、このフロンガスの数千億円の在庫を抱える空調業界に補助金を出してでも、日本の脱フロンを進めフロン禁止、ノンフロンの義務化をするように提言しています。

日本中の照明がLEDになり、日本中のクーラーが自然冷媒に変わればその建物の電気消費量は半分以上削減できます。皆さんの自治体の年間の電気料金総予算を半減できるとしたら、それは地方自治体が「財政余力」を作る1番現実的で確実な方法です。

ただし、今LED照明も高騰し品不足になっています。LEDと自然冷媒導入にリースを活用するにしても、都道府県や政令市規模の数百億円の資金を地方銀行レベルでは負担できません。全国何兆円にもなる起債を受けるところもなく、政府の交付金など期待できません。

50年に1度の経済大変動に自分の地域を守るための方策を頭を絞って、知事会、市町村会、議長会の政治力を使ってでも政府対策を引き出してください。

私が提案できるのは、照明と空調のエネルギーを半減する取り組みへの現実的な具体策です。

次回の今年度最後のオンラインセミナーは3月27日です。
ぜひ参加して勉強してください。

≫オンラインセミナー
≫月刊クォリティ4月号
≫ジチタイワークス

なお、せっかく3月議会で予算が通っても、企業エゴで間違った事実を吹き込まれて、誤った入札要項、不公正な仕様書を作ってしまっている自治体もあります。ぜひセカンドピニオンをとって下さい。

≫〇〇町サウンディングシート