寄稿記事 ARTICLE
2026年05月07日
油断!の世界
GWは何事も無く平和に過ぎたように見えますが、イラン情勢の影響は日々社会経済と生活の節々に顕れています。
4月28日にホルムズ海峡から出光丸が脱出しましたが200万バレルのタンカーが無事到着しても日本の1日の消費量330万バレルには足りません。
ホルムズ海峡が解放されるまでは、毎日備蓄を取り崩しているのが現実なのです。
さらにネットで調べてみると、石油消費量の多い順に並べると、米・中が日本の5~6倍、次いでインド・サウジ・ロシアで日本の次が韓国、ブラジル・カナダだそうです。
インドはロシアからの輸入の道をつけているようですが、上位はみな産油国です。
すべてを輸入に頼っているというのは日本が一番深刻で、二番目の韓国はすでに非常事態として年間政府予算の三分の一近くに達する石油と天然ガスの官民の対策を検討しています。
第一次オイルショックの時に日本でどのような対策が行われていたか、後に経済企画庁長官となった通産官僚の堺屋太一氏が書いたベストセラー小説「油断!」を読み返してみました。
油が入ってこないままで備蓄が尽きてしまったときにどうなるか。この日本初のシミュレーション小説では国富の7割が消失して、3200万人が失業し300万人が死亡するというシビアシミュレーションが提起されていました。
あれから50年経ってもエネルギーセキュリティが分散されていないのは何故か。
原子力再稼働と再生エネが間に合わない中で、いまだに政府は節電要請、省エネ通達を出さずにいます。
政府は政府でパニックを阻止して投資の冷え込みを防ぎたいという思惑はあるのは判りますが、経営者や首長は現実を見据えて自分の身は自分で守るしかありません。
6月から電気料金もガス料金も大幅値上げが発表されていて、今年もまた猛暑がやってきます。猛暑の最中に政府の節電要請が出ても、熱中症覚悟でクーラーを止める以外の方策はありません。
ガソリンの補助金だけで、今まで通りの生活ができると幻想している人がいるはずもなく、なんの対策も聞こえてこないまま国中が茹でガエルになっていくのか。
どうやってこの非常時を乗り切っていくのか。
連載している経済誌に実現可能な解決策のひとつを描きましたのでご覧ください。
≫クォリティ6月号 小説「油断」が提起したシミュレーションが現実に
≫ジチタイワークス6月号 エネルギー危機を見据え節電を進める
≫5月期オンラインセミナー