寄稿記事 ARTICLE

あかりみらい通信

2026年05月18日

節電要請

あかりみらい通信

スーパーに買い物に行くとあらゆるものが値上がりしていて驚きます。1年前に卵と牛乳がいくらだったか。米は倍、魚ひときれが何百円にもなり、チョコレートも袋菓子も見たこともない値段がついています。感覚として家計が食費だけで月何万円も増えているのは間違いありません。

電気料金は燃料費調整制度をそのまま使うようで、発電燃料費の3ヶ月分を平均してスライドして請求されます。電力会社にとっては燃料の値上げ分をそのまま転嫁するだけの簡単かつ値上げの責任を追求されない便利な制度です。来月から反映されるホルムズ海峡の影響がいったいいくらになっていくのか。ウクライナ戦争の時のように、この電気代の値上げが、さらにあらゆる物価に転嫁されていきます。
食料品、電気、ガス、ガソリンから始まり、飛行機、バス、JR、宅急便、ホテル、家賃、映画、教育費、医療費あらゆるものの値段が戦後の最高値になります。

この非常事態にあって、政府が判断を誤っているのではないかと思われるのが、いまだ「非常事態宣言」「節電要請」をしないことです。日本の次に原油をホルムズ海峡に頼っている韓国では、3月末にエネルギーの使用制限を始めています。韓国は原油備蓄が70日分しかないのですが、総発電量の4割を20機の原子力発電所で賄っています。

◼️世界一の非常事態は日本

日本が節電要請をすべきなのは、原油の95%が止まっているだけではなく、第一次オイルショック後にエネルギーミックスのために推進したはずの原発が止まっているからです。世界で1番非常事態なのが日本なのです。昨年2月に決まった「第7次エネルギー基本計画」は、原発推進一色で再生エネルギーも省エネもほとんど語られていませんでしたが、50年に1度のエネルギーの非常事態なのですから、エネルギー政策として省エネルギーを筆頭の対策とすべきです。

基本計画として位置づけた原発再稼働にもあと数年はかかります。再生エネルギーはメガソーラーに逆風が吹いており、洋上風力も今すぐに建築できるわけではありません。
結局、今すぐの対策が求められるエネルギー危機には徹底した省エネ・節電しか残らないのです。

早く節電要請をしないと、もう200日を切る限られた備蓄原油が日々取り崩され、アリとキリギリスそのままに冬の暖房用燃料が必要な時期に枯渇してしまうかもしれません。高市総理と片山大臣の議員事務所にはメッセージしていますが、これから猛暑が来たときに節電要請しても、言われた方はクーラーの温度設定を上げるしかないのですから、暑さを我慢する恨みの声と熱中症で死んだ人の責任を取れとの声が総理に向いてしまいます。

来月からの電気料金値上げで節電できることは、照明を落として薄暗い生活をするのと、クーラーを節約して真夏に長い地獄の我慢大会を続けるしかありません。LEDはすでに照明の7割の節電をしているので、これを消しても大して省エネにはなりません。クーラーを切るのは熱中症で死ぬかもしれない命をかけての節約になります。

◼️残された希望

第一次オイルショックの後に、原子力、LNG、省エネ家電やLED、ハイブリッドカー、太陽光が出現したように、今このエネルギー危機に新たな対策として希望を見出すことができるものがあります。

すでに世界での潮流となっている「脱フロン」が空調分野の電力消費量をおよそ4割減らすことがわかっています。冷蔵庫や自動販売機、スーパーの冷凍ストッカーなどコールドチェーンにはすでに政府の補助金も出て新型製品にどんどん変わっています。

クーラーの冷媒ガスである代替フロンを自然冷媒の炭化水素系ノンフロンガスに替えることで地球温暖化の犯人であるフロンがなくなり、電気消費量が4割減るのです。まだ最初からノンフロンで冷房するクーラー製品は出ていませんが、自動車のオイル交換と同じように冷媒ガスだけを交換することができます。既存の空調業界には商売敵となるので妨害しているようですが、今のエネルギー危機の国難を救う最大の手段が空調分野の電力消費量半減です。
適切な温度で真夏の熱中症を防ぎ、電気料金を大きく節約し、国の節電要請にも真っ当に応える方法がクーラーの冷媒ガス交換です。

私が連載している経済誌に詳しく書きましたのでご覧ください。
≫クオリティー6月号

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