寄稿記事 ARTICLE

あかりみらい通信

2026年09月08日

首都直下地震の避難先は

あかりみらい通信

毎年9月の防災月間には何本かのメールマガジンをお送りしておりますが、今年は特別の年です。

ひとつには、11月に防災庁が発足して国としての防災のあり方が改めて問われます。最優先で考えねばならない防災とは何か。防災庁に求めていくものは何か。

ひとつには、副首都法案が可決して、次の国会でも首都直下地震を前提とした首都機能移転の論議が改めて行われます。
維新の会の大阪への権益誘導から始まった議論かもしれませんが、それだけのお金とエネルギーをかける対策の大前提は首都圏の崩壊です。そのシミュレーションは100万人の避難民をどこで受け入れるか、臨時政府をどこに移転するかが最優先課題でしょう。

首都直下地震でも南海トラフ地震でも想定被災地の皆さんはどちらに避難するつもりですか。津波と大火災で避難所もなくなり交通も遮断する中で避難するような災害を想定しておかなくてはならないのではないでしょうか。

想定できないものを想定するのが危機管理です。500年に1度の東日本大震災の津波を東電が想定して堤防を嵩上げしておけば福島原発の爆発はありませんでした。

昨年対談した石垣市中山市長は、尖閣諸島・台湾有事の際には島民5万人が九州・山口に避難することになっていると教えてくれました。この時に勝手に申し上げたのが、市民を分断せずに、全員が札幌ドームに避難されたらどうかということです。

札幌市も副首都候補に手を挙げていますが、それ以前に全国の重大災害の避難民を受け入れることができるのは北海道だけであるという事実を防災庁と政府と共有すべきです。

東日本大震災の後の避難と住民の分断がどれだけの苦難を招いたか。防災というと津波タワーや避難所運営、仮設トイレや段ボールベッドの訓練などの話題になりますが、首長と危機管理防災担当の皆さんは、今年の防災月間を首都直下地震、南海トラフ地震、日本海溝千島海溝大津波の発生を前提としてのシビア・シビアシミュレーションを考える機会としてください。

来週15日に衆議院第一議員会館で自治体、国会議員も参加する防災イベントがあります。なかなか入る機会のない議員会館ですから関心のある方は主催者に連絡してください。
≫「みんなでつくる防災2026」

■先日、高市総理事務所宛に首都直下型地震へのメッセージを送りましたので参考にご覧ください。

件名: 首都直下、地震における臨時政府移転について
内閣総理大臣高市早苗さま
高市秘書さま

僭越ですが、昨日の防災の日のニュースを見ていて、防災庁設立までの課題設定に大きな穴を感じています。

副首都問題も同様ですが、首都の政府機能が崩壊した時点で、どのようなシビアシミュレーションが想定されているか。高市総理ならばご存知でしょうが、日本沈没、シン・ゴジラ、ビックコミックかわぐちかいじ「太陽の世紀」など巨大災害における臨時政府の想定がどれほど複雑で困難なものか。

尖閣問題では、沖縄石垣島を始め12万人の九州、山口への避難が計画されていますが、現計画の民間輸送でできるようなものではありません。

いわんや、首都直下型地震、南海トラフ地震で数百万人が被災して、これだけの人が避難する先がどこにあるのでしょう。

昨日のニュースでは、大阪府知事と北海道知事が副首都の経済連携をするという平和な花畑構想が流れていますが、本質は北海道で何百万人の避難民を受け入れることができるかのギリギリの問題です。

防災庁の最大のテーマはここにあります。

また、総理ならば理解されますが、国家の安全保障において、首都が崩壊した時点で、中国とロシアと北朝鮮が侵攻を始めます。首都圏の人命救助と復興に自衛隊が集中している中で、南と北から支援名目で海外資本が侵略してきます。これを見事に作品にしたのが「太陽の世紀」です。漫画では北日本は中国傀儡政権が支配します。

現在の政府の危機管理では、霞ヶ関、永田町の機能は立川広域防災基地に移動することになっていますが、その次のシミュレーションがありません。

今回の副首都問題を契機に、私の主宰する経済人ネットワークで、1つの提言書をつくりました。

全国の災害被災者を北海道で受け入れること。首都直下型地震など巨大災害時には、札幌ドームを臨時政府施設として総理が指揮を取ること。
皇居の被災も当然考えて、陛下には旭川へご動座いただくこと。

これらをまとめた動画を作成し公開しておりますので、総理にご覧いただけると幸甚です。
≫首都直下地震シミュレーション動画
≫クォリティ9月号