寄稿記事 ARTICLE
2024年10月24日
すでにLED在庫払底
エネルギーコンサルタントのあかりみらい代表取締役越智です。
2027年の照明危機問題について全国自治体でコンサルティングしています。10月は石垣市長との面談から始まり、座間味村長、宜野湾市長と面談。京都での医師会学会に参加し、青森県内市町村を廻り、再び沖縄へ。宮崎空港から熊本県に回り、阿蘇の学会に参加し福岡から大阪へ。泉大津市長にも面談でき、大阪でオンラインセミナーの後、京都と滋賀の市町村でレクチャー。明日25日10時から今月最後のオンラインセミナーの後、来週は新潟県を回ります。セミナー参加希望の方はいますぐこちらから問い合わせを。
これだけ歩いても、照明をあと2年半で完全にLED化しなくてはならないというメッセージは全国自治体に届きません。
知事会、市町村長会の会長は衆議院選挙が終了次第、政府に提言してください。
議員のみなさまは国会、県議会、市町村議会でこの国難への対応を質問してください。
蛍光管がなくなるまであと3年と言っていましたが、パナソニックが2027年9月に生産を終了すると発表したので、実質2年半です。
先週金曜日に久々に札幌本社で会議を行ったところ、沖縄の自治体で急ぎ18,000本の発注が必要となり大手照明メーカーに在庫確認したところ、なんと、いま日本中の倉庫を確認したが20,000本しか残っていない。そのほとんどをあかりみらいに持っていかれるわけにはいかないとの返事です。
たかが1自治体の数十の学校施設ですら対応できない脆弱なサプライチェーンです。
あかりみらいが今みなさまから試算依頼を受けて積算しているだけでも数十万本を軽く超えます。これから県単位の発注があると100万本はあっという間に超えます。大手照明メーカーが50社必要です。
大手照明メーカーは例の「最後の1本」のコマーシャルを流してしまったので、民間からの問い合わせが殺到してるのだと思います。民間だけで何千万本になるでしょう。20,000本が手に入らない日本で2千万本、2億本のLEDがどうやって供給されるのか。
来年度予算に計上しても資材調達できなければ入札不調です。いまなら別のメーカーで10万本は確保できます。それでも10自治体には供給できません。次の入荷は4カ月後です。
政令市市長や県知事は数1000を超える施設をどうするのですか? 議員のみなさまは議会で揉んでください。
中国、韓国、台湾からの緊急輸入を真剣に考えなくてはなりません。水俣条約147カ国で日本以外のいくつの国が同じような状況になっているか? すでにLED照明原料の取り合い、資源戦争は勃発しています。
中国は台湾を封鎖する演習を行っていますが、日本がこれに対立すると習近平は輸出禁止を命令します。日本の基幹機能である照明を抑えられてしまったのです。
このような事態を引き起こした環境省水銀対策推進室も経産省化学物質管理課も2月に紙切れ1枚の事務連絡を出したまま何もしていません。民間には市町村から周知するようにと書いてありますが、どの自治体首長も認識していません。
大手照明メーカーのコマーシャルで国民が知っても、政府の対策も自治体の対策も全く取られていないのです。
照明の需給を司り、照明工業会を指導すべき経産省情報産業課はいまだにLED照明が不足することを認めようとしません。
この事態を歓迎しているかのような日本照明工業会は、器具の「まるごと交換」などというガラパゴス製品を広めるために、世界標準の蛍光管タイプ製品が危険であるかのような風評を流しています。消防庁を騙して、「まるごと交換」でないと火が出るとの嘘を全国消防署に通知させました。
大手照明メーカーの「最後の1本編」は本当に起きる目の前の今ここにある危機です。公園の公衆便所の蛍光管が切れると、そこは犯罪の巣になります。学校は夕方で閉鎖になり、病院の診療もできなくなります。すでに全国のトンネルでナトリウム灯製造終了とLEDトンネル灯の生産待ちで安全基準が満たせなくなってきています。
先週通った京阪トンネルの何kmにも亘るナトリウム灯と蛍光管を2年半で交換できるのでしょうか? 大変な交通渋滞が起きます。
地下鉄も、空港も、港湾も自衛隊基地も、今すぐLED資材を確保しないと物理的に使えなくなります。国土交通大臣と防衛大臣に伝えなくてはなりません。
議員のみなさま、日本の灯りを護る超党派議員連盟を作りましょう。
利権を貪る照明業界や本来の機能を果たせない役所を正すために国会議員は存在しています。国会や地方議会で質問してください。
もういままでの建築営繕や公共工事の手法では全く手に負えない事態になっているのです。
長くなりますが、ご覧になっていない方のために前号のあかりみらい通信をご覧ください。