寄稿記事 ARTICLE
2024年12月25日
蛍光管製造禁止を閣議決定
昨日12月24日、政府は2027年までに蛍光管を製造禁止することを政令で決定しました。
≫全ての一般照明用の蛍光灯が2027年末で製造禁止に 浅尾環境大臣「LED照明への計画的な交換お願いしたい」
昨年の11月に国際条約で決定したことを今頃になって追認し発表したことにはいくつかの背景があると思われます。ひとつは、これほど影響の大きな問題を国際会議でLED照明の需給調査もしないままに決めてしまったことへの責任所在の確認。
日本照明工業会を管轄する経産省情報産業課は「フローとストックを考えるとLED照明が足りなくなる事は無い」との見解でしたが、中国のアメリカへのガリウム輸出規制などを見ると、LEDの世界的争奪戦が始まる可能性があり、今までのスタンスを取り続けることが大きな社会問題となりかねないとの判断がなされたのではないかと考えます。
昨年来、あかりみらいはこの問題について警告を発信し続け、6月には高市早苗経済安全保障大臣と斎藤健経産大臣に提言書を渡し、今月には高市大臣から引き継いでいただいた城内実経済安保大臣、伊東良孝地方創生大臣にもこの問題を認識いただきました。多くの国会議員の問題意識を代表し、先週は参議院環境委員会で川田龍平議員が2027年問題を質問してくれたことで、この大問題をやっと公の場で国民に知らせるところまでたどり着いたのだと想像します。
6月に、ある有力議員の同席の元で開いた経産省、環境省、内閣府の官僚との勉強会では、この大失策とも言える条約締結を前向きに捉えて政府の第7次エネルギー基本計画の改定に照明LED化による省エネ効果を織り込むことを提案しました。仮に3億本の蛍光管をLED蛍光管に交換することで、1000万KW相当の省エネになります。これは火力発電所10基分または原子力発電所10基分に当たる巨大な省エネで、脱炭素の切り札になるものです。
この年末のタイミングで閣議決定されたのは、先週12月17日に第七次エネルギー基本計画案が発表されるのを待っていたからなのかもしれません。
今回のエネルギー基本計画はAIの進展によるデータセンターの増設や半導体工場の急激な電力需要増を賄うために原子力の再稼働を進めるというシナリオですが、その前提となる電力需要の爆増が膨大な照明のLED化によって帳消しになってしまうことで原子力再稼働のストーリーが崩れることを恐れたのではないかと考えます。
≫月刊クォリティ
≫NHKおはよう北海道
いずれにせよ、今年2月に政府省庁と自治体にのみ出されていた事務連絡の内容が、やっと国民の目に触れることになりました。
≫政府事務連絡
これから政府施設と都道府県・市町村の膨大な公共施設のLED化が始まります。今までアイリスオーヤマのコマーシャルでのみ知らされていた民間企業や家庭が一斉にLED化に走り出します。
≫アイリスオーヤマCM
政府はLED照明資材のサプライチェーン対策や、LED化に必要な資金調達のための財政出動や、人手不足の電気工事業界対策を急ぎ検討しなくてはなりません。
全国的な資材不足が危惧されているこの期に及んで、日本照明工業会は、蛍光管のLED化に最も合理的で大量調達が可能な蛍光管型LEDに対して「火が出る」とか「落下する」とか根拠のない誹謗中傷を行い、今年の夏には消防庁まで使って誤った風評の流布を行いました。海外製品の輸入を防ぐために国内でしか通用しないガラパゴス規格を作った業界は「まるごと交換」という産業廃棄物の山を作り、各メーカーが独自サイズの自社ライトバーにしか取り替えさせないカートリッジ商売を始めています。
世界標準規格のG13口金蛍光管タイプLEDを無視して、汎用性のない独自規格の商品を普及させることが将来に禍根を残すことがないように、しっかり判断して、早期に取り組みを始めてください。
≫環境新聞
【あかりみらいからのお知らせ】
あかりみらいは、AI図形認証プログラムを活用したLED化の試算見積もりと、国内外の大手メーカーと提携した最新高効率LED資材の確保、全国地元工事業界との提携による工事手配から、電気料金削減の範囲で費用を収めるリース設計まで、過去50自治体と官民2000件を超えるLED化の実績をもとにお手伝いいたします。
≫AI図形認証試算
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≫あかりみらいオンラインセミナー
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