寄稿記事 ARTICLE

あかりみらい通信

2025年07月14日

クーラーの電気代が半分に

あかりみらい通信

連日の猛暑で熱中症で亡くなる方が増えています。命がかかっているのだからクーラーはフル稼働させるしかありません。来月請求が来る電気代は我が家の歴史上で最大の金額になるはずです。日本の物価高の原因となっている電気料金は世界最も高い水準で、先進国でも最も高い国のひとつです。島国ですべての燃料を輸入して発電しているのですから、原子力発電所が停止している今、世界で1番高いのだとしてもおかしくありません。原発が止まっていても原発要員の人件費や維持費は掛かり続けているのですからとても高いのです。

🔲クーラーの電気代が半分になる
この電気料金が実は何年も前からもっと下げることができたことをご存知ですか?
蛍光管をLEDにすることで7割の電気代が下がる事は既に常識になっています。でも、クーラーの冷媒ガスを世界最新の自然冷媒ガスに交換すれば、3割から6割の電気代が下がる事はほとんど知られていません。
世界ではフロンは完全に禁止され、CO2を出さず、最も熱交換効率の高い炭化水素ガス(自然冷媒ガス)の普及が始まっています。欧米の800車種の乗用車のカーエアコンは全てこれに変わり、冷蔵庫や冷凍庫でも新製品がこれに切り替わってきているそうです。
フロン、代替フロンに替わる第3世代の自然冷媒ガスは、熱交換効率が高いので半分近い電気量で同じ温度環境を作ることができる。室外機からガスを交換するだけなのでエアコン自体の工事は要らない。下がった電気代で分割払いすれば、持ち出し無しでクーラーの電気代が半分になる。これならば、やらない手はありません。
逆に、なぜこのような革命的情報が日本で広がらなかったのか裏事情がわかれば納得します。
薬害エイズ問題で大変な犠牲者が出たとき、この原因は非加熱製剤の在庫を売り尽くすまでは感染警告も出さず、患者からの訴えも退けてきた製薬メーカーと厚労省の犯罪でした。
これと同じ図式が、日本の空調業界と政府に起きています。
1987年にモントリオール議定書でフロンガスの全面禁止が決まった後に日本は代替フロン製品を開発しました。今使われているこのR32とかR410とかの冷媒ガスが、実は6000億円以上の契約在庫がメーカーに残っている。この在庫を捌くまではどんなに効率が良く、地球温暖化を解決する手段であっても採用しない、採用できないと言うのが、日本の業界団体の方針です。
だから空調メーカーも政府もこの自然冷媒ガスへの転換もせずに、国民にも知らせようとしません。

🔲そんなこと知ったことか!
国民が冷房の電気代で苦しみ、電気代を払えないために熱中症になる人たちが大勢いる。命を削って電気代を節約している現実を、自分の会社の在庫が増えるからと言う理由で、お勧めしないどころか妨害している。「自然冷媒ガスに替えるとクーラー設備の保証をしない」「点検しない」挙句の果ては、「自然冷媒ガスは燃えやすい」というデマまで流して妨害しています。
いくつかの大企業の自分の利益を守る企業エゴのために日本中の空調コストが倍になっているのです。このコストがあらゆる製品に転嫁され、今の物価高を作っています。
照明がLEDになったことでどれほどの電気消費量が減って、電気料金負担が減ったことか。家計の負担が減り、地球温暖化問題に寄与したか。
空調はこれの比ではありません。日本中のクーラーや冷房冷凍設備の電力消費量が革命的に削減されるという事は、日本の民生用、産業用電力需要の構造変化とも言える大革命です。
今、選挙公約で唱えられている消費税削減よりも、はるかに現実的で、効果の高い物価対策なのです。
前向きな提案をすると、空調業界の6000億円分の在庫の代替フロンガスを全て政府が買い上げ、借金帳消しにする。その代わり日本の空調メーカーは今後すべて自然冷媒ガスを使う規制を決める。そうすると、日本のクーラーや冷蔵冷凍設備すべての電力消費効率が半分近く下がり、膨大なフロンガスの地球温暖化被害が食い止められるのです。
6000億円のCO2削減投資で10兆円もの電気料金削減、物価対策ができます。
すべての照明がLED化になり、すべての空調が自然冷媒になると日本の電力消費量が半減します。
原発を再稼働する必要もなくなり、火力発電所から発生するCO2も最低限で済みます。AIによるデータセンターや半導体向上の稼働による電力不足も、莫大な省エネ行動で対策できます。
この冷媒ガス転換をどこに頼めば良いか、いくらかかるか、持ち出しなしでタダで導入するにはどうすれば良いか、お問い合わせください。
次回のあかりみらいオンラインセミナーでも空調の電気料金問題を取り上げます。
≫オンラインセミナー

≫環境新聞 2025年7月9日号
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≫【動画】空調の冷媒交換で電気代とCO2を大幅に削減 ーフロンガスからクリーン冷媒の時代へー