寄稿記事 ARTICLE
2025年08月12日
津波対策・水害対策
前号の入札コンプライアンス問題に続いて、本号は防災・危機管理特集です。
7月30日カムチャッカ半島を震源とするマグニチュード8.8の地震による津波が来波しました。
また、8月になって毎年のように起きる豪雨水害はいままで想定していない規模の被害をもたらしています。
9月の防災訓練に向けて、反省点、改善点を確認しマニュアルに織り込んでください。
🔲津波災害を反省して次に生かす
今回のようなカムチャッカからの遠来の津波ではなく、数十分で到達する千島海溝・日本海溝地震は380年に1度と言われながらもう既にそのレンジに入っています。南海トラフ地震は30年以内に80%の確率で発生し、北海道有珠山も30年に1度噴火すると言われていてもういつ噴火してもおかしくありません。ある日突然、思いもよらない時にというのが災害です。知事、市町村長、防災危機管理担当官は、今回の津波災害対応の詳細な調査を行い、次回訓練へ反映すべきです。当初1メートルの注意報だったものが、いつの間にか3メートルの警報に変わっていたことには驚きました。1mでも全力で避難しなくてはならないのに3mの大津波警報は大変ショックでした。私の次男一家と孫たちは根室に住んでいます。すぐに電話しましたが、直下型地震のような場合には電話もつながりません。
もしかしたら、1mの観測が3mになるのならば、近海トラフならば全国で東日本震災級の被害が出ていたかもしれません。以前からあかりみらい通信で警告していますが、南海トラフ地震でも千島海溝・日本海溝地震の場合でも、数十分での大津波の来着があり得ます。その時に高齢者や弱者が走ったとしても高台や津波タワーには到達できません。北海道大学の津波研究チームの実験では若い学生たちが全力で駆けて、津波タワーの階段に辿り着いた時点でシミュレーションの津波に呑まれてしまいました。幼児も老人も車椅子の人も膝痛の人も腰痛の人も間に合うはずがありません。今回の地震では車で避難した人たちが渋滞で立ち往生したという例が多く報道されています。避難所のグランドに車で乗り入れてもいいのか、渋滞してしまったら車を乗り捨ててもいいのか。困難な決断でも事前に決めておくのが防災マニュアルです。
いくつかの市町村で避難警報が津波到達時間を過ぎていたという笑えない事例がありました。それなりの事情があるでしょうが、避難警報を地元民に伝えられないというのは市民の生命を護る防災のスタートからのしくじりです。
これが年末の夜中に、暴風雪の真っ最中に起きたときに、当直者もいない中で何が何でも警報を伝えることができるのでしょうか? 住民からの電話対応で手一杯だった、県の出先に任せたつもりだったなどまさにその問題を正面から捉えて、反省して改善して次の訓練に活かしてください。
🔲ハザードゾーンに救命胴衣を
10億円の避難タワーを作るよりも、救命胴衣を沿岸全家庭や施設に配備することが生き残る人を増やす現実策になります。救命胴衣の正しい装着と着装した上での避難をマニュアル化して訓練するべきです。
世界中の飛行機の離陸時に救命胴衣の付け方をアテンションするのは6000年に1回海に墜落することを想定している危機管理です。30年に80%の確率でやってくる巨大津波に救命胴衣を用意していない方がおかしいと思うのですが、いかがでしょうか?
悲しい想定ですが、逃げ遅れたご遺体をすべて回収するまでが防災担当者の仕事です。ウレタンの救命胴衣を着けていればご遺体も2ヵ月間は浮いているそうです。
🔲車からの給電をマニュアル化する
今回の津波では猛暑の中での避難所滞在で熱中症になった方が何人もいたといいます。北海道ブラックアウトの時にセイコーマートが車からレジ周りの電気を採り、市民の水や食料の調達に役立ったのは記憶に新しいことです。今ではトヨタ車を始め1500ワットコンセントを搭載したハイブリッド車も多く販売されています。大停電の中であっても避難所の照明も、通信も、暖房も冷房も車1台で賄うことができます。訓練で実験してください。
ただし、車からの給電は、電圧低下の可能性もあるので、人工呼吸器や吸痰器持参の人たちのために電流制限機付きのコードリールを使うことをお勧めします。
≫安心給電コード
🔲感染対策をマニュアル化する
コロナ禍では当然の発想でしたが、今避難所に多くの人が殺到したときに、コロナ感染者も百日咳感染者も麻疹の感染者も必ずいます。免疫力の弱った高齢者もいるし、入院患者も搬送されるかもしれません。コロナが空気感染だった事は、空間消毒のできないアルコールを製造する利権業界により隠されてきましたが、空気清浄機と同じように、次亜塩素酸水を超音波加湿器で気化することで室内ウィルスの98%、床・壁・備品表面は99.9%の除菌が可能だという実験結果が出ています。一時期、これも業界利権のネガティブキャンペーンで次亜塩素酸水の代わりに漂白剤を500倍に薄めるという主婦の知恵のような代替策が広まり、政府の支援物資にも入りましたが、人体に安全で拭き取りにも空間除菌にも使える次亜塩素酸水は能登半島地震でも使われています。
≫次亜塩素酸水普及促進会議
≫水害被害の床下、床上浸水の復旧段階での除菌にも次亜塩素酸水が使われています。
あかりみらいでは全国の避難所に安心給電キットと次亜塩素酸水溶液生成パウダーを寄贈しています。9月の防災訓練でぜひ活用してください。
≫安心給電キット寄贈
≫次亜塩素酸水溶液生成パウダー寄贈
≫月刊クォリティ
≫環境新聞 2025年7月9日
≫あかりみらいセミナー